安全・衛生管理

労働災害が発生したとき

もし貴方の会社で労働災害が発生したら、どうしますか?

会社としては、労災保険給付の請求を労働基準監督署で手続きをして、それぞれの補償給付を請求することになります。
本当に安心して大丈夫なのでしょうか?

(1)刑事上の責任

労働安全衛生法では、事業者に対して労災防止の安全衛生管理措置を定め罰則付きで義務づけており、これを怠ると刑事責任が課されます。
また、業務上、労働者の生命・身体等に対する危険防止の注意を怠り労働者を死傷させた場合には、業務上過失致死傷罪(刑法)に問われることになります。

(2)民事上の責任

労働者や遺族から労災で被った損害について、不法行為責任や安全配慮義務違反で損害賠償を請求されることがあります
その場合は労災保険給付が行われた場合、限度額まで損害賠償の責任を逃れることが出来ます。しかし、労災保険給付では精神的な部分に対する慰謝料など、全てを補償しているわけではありません。労災保険の給付限度を超える損害に関しては、民事上の損害賠償の責任が問われます。
また、最近は安全配慮義務違反として損害賠償を認める裁判例も多く見られます。

(3)補償上の責任

労働者が労働災害を被った場合、被災労働者やその家族が生活に困らないように保護する必要があります。

そこで、労働基準法及び労働者災害補償保険法によって、事故が発生した場合には労働者の治療と生活補償を目的とする補償を義務づけています。

(4)行政上の責任

労働安全衛生法違反や労災発生の危険がある場合には、機械設備の使用停止や作業停止等の行政処分を受けることがあります。
また、取引先(他官庁)からの 取引停止(指名停止)を受ける等の処分を受けることがあります。

(5)社会的な責任

上記の責任を負った企業は社会からの信頼性が低下するとだけでなく、労働災害による直接・間接的なコストにより、企業としての経営が厳しくなることも考えられます。

(6)安全配慮義務とは

安全配慮義務とは、災害を起こす可能性(危険及び健康障害)を事前に発見し、その防止対策を講ずることが使用者の義務とされています。(労働契約法第5条)
さらに民法上の労働契約等に基づく使用者の債務とされており、この義務を怠って労働災害を発生させると民事上の損害賠償義務が生じます。
安全配慮義務は、労働安全衛生法を守っているだけでは完全に履行されたことになりません。
労働安全衛生法はあくまでも守るべき最低限のもので、それ以外の労働災害発生の危険防止についても、企業は安全配慮義務を負うことになります。
すなわち、労働安全衛生法上の刑事責任を免れることと、民事上の損害賠償責任とは必ずしも一致するものではありません。

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